再生医療(幹細胞治療)
慢性疼痛

疼痛は、痛みが続く期間の長さによって、大きく2 種類に分けることができます。
痛みの原因(病気やケガ、熱傷など)の改善から始まり治癒と共に沈静化する「急性疼痛」と、痛みが長期間続く「慢性疼痛」です。
後者の慢性疼痛とは、病気やケガ、熱傷などの痛みの原因が無くなってもまだ痛みが続いている状態や、痛みの原因が治りにくく継続的に痛みが続いている状態のことで、通常は1 週間~3 か月、あるいはそれ以上痛みが継続する場合を指します。
期待できる効果

脂肪由来幹細胞は体の脂肪組織に含まれる細胞で、脂肪細胞や軟骨細胞、骨細胞になることができる細胞です。
このような細胞は、色々な細胞に分化(変化)する能力があり、木に例えると複数の枝を支える幹に相当することから幹細胞と呼ばれています。
体の中には色々な種類の幹細胞が存在しており、ケガや病気により傷ついた組織の修復を行っているだけではなく、常に新しい細胞を作り出すことで体全体の新陳代謝を支えています。
また、全く別の働きとして幹細胞には免疫を強力に抑え込む力があることも分かっており、炎症を抑える効果のある物質を分泌する性質があります。
体内に投与した幹細胞は、体内の傷ついた場所に集まり、炎症を抑え傷ついた組織の修復をする性質があります。
そのため、痛みの原因となる慢性炎症を抑え、末梢神経の傷害部位を修復することにより、神経障害性疼痛をや侵害受容性疼痛を緩和させる効果が期待できます。
治療の方法


本治療では、慢性疼痛の患者さん本人から脂肪組織を採取し、培養します。
① 疼痛について問診を行い、治療による効果が見込めるかを医師が判断します。
② 幹細胞を採取するために、採血を行います。
③ 患者様の腹部または太ももの裏側を切開し、脂肪を採取します。
④ 採取した脂肪を許可を取得した培養加工施設に移送し、幹細胞を取り出して約6週間かけて培養し、必要な細胞数になるまで増やします。
⑤ 十分な細胞数になるまで増えたら、冷蔵保存した状態でクリニックに届き、点滴で投与します。
起こりうる副作用

臨床試験では一時的な嘔吐、頭痛、注射部位の痛みなどの副作用、健康被害が報告されていますが、いずれも軽微で自然に治癒しています。
特別な処置が必要となる、あるいは後遺症が残るといったような重篤な副作用、健康被害は報告されていません。
因果関係は分かりませんが、過去に投与後に死亡した例が1例あります。
他の治療方法との比較

慢性疼痛の治療法は対症療法が主であり、手術療法などの根治療法がないのが現状です。
治療法は、鎮静剤や精神安定剤などの薬物投与が中心となる保存療法が主であり、現状の治療法では十分な疼痛緩和のコントロールができているとは限りません。
本治療では、患者本人の脂肪由来幹細胞を投与するため、副作用の少なく、末梢神経の炎症部位や過敏になっている末梢神経障害の部位に直接作用することから、痛みのコントロールができる可能性があります。
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ASメディカルサポートとは、細胞培養加工施設の運営を軸に、再生医療の導入を促進する会社です。
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